楽天モバイルが5Gの商用サービス「Rakuten UN-LIMIT V」を開始した.気になる料金プランや現在の「Rakuten UN-LIMIT 2.0」を契約している場合はどうなるのかを調査した.
自分も楽天モバイルを最近契約したので気になるところ.
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新しい端末も発表されたのでそれについてもまとめる.
第5世代移動通信システム「5G」
まず最初に簡単な「5G」モバイル通信ネットワークについて簡単に解説する.
モバイル通信は1Gから現在の5Gまで通信速度の向上やエリアの拡大が行われた.ちょうど自分が学生の頃は3Gが最盛期だった.3Gの中心通信速度は「3.6〜14Mbps」程度.
いわゆる「ガラケー」で携帯サイトや写メなんかを送受信したりでき,テキストベースのウェブサイトならなんの問題なく閲覧できた.
それが今の主流の「4G」になり通信速度は225Mbps〜となり高画質な動画の配信が可能となった.とは言ってもやっぱり動画ストリーミングでは遅延が生じることもあるし,最高画質での閲覧は厳しいところがあるのが4G.
てことで新世代通信技術の5Gが登場したわけだ.5Gのメリットとして4Gに比べて
- 超広帯域伝送とMassive MIMOによる高速・大容量
- 無線送信の信号間隔短縮による低遅延
- 多数端末接続
の特徴がある.より大容量のコンテンツを高速に遅延なく配信できる.いろんな分野で活用が期待されているが自分にように医療の現場ではおそらくなくてはならない通信ネットワークになると思う.
Rakuten UN-LIMIT V
ドコモやauなどは先駆けて5Gサービスを展開しているが,第4のキャリアである「楽天モバイル」も5Gサービスを展開することを発表した.
楽天モバイルの5Gサービスは「Rakuten UN-LIMIT V」と呼ばれ,プランはこれひとつのみだ.サービスの新規受付は9月30日15時30分以降,楽天モバイルのWEBサイトや店頭にて行われる.
料金は?
気になる料金だがなんと「月2,980円」しかも4Gでのサービス「Rakuten UN-LIMIT 2.0」と同じく300万名まで1年間無料だ.
また,Rakuten UN-LIMIT 2.0 にて展開している「Rakuten Link」を使用すれば国内通話かけ放題と国内SMS使い放題は継続される.これは契約しない理由がない.
楽天モバイルはこの新しい5Gプランを4Gプランのアップグレードと位置付けている.
他のキャリアが発表している5Gと比べると以下のようになる.ちなみに楽天モバイルと同じ条件になるようにdocomoは「かけ放題1,700円」,auでは「かけ放題1,800円」,SoftBankでは「かけ放題1,800円」を加算した.
キャリア名 | サービス名 | 料金 |
楽天モバイル | Rakuten UN-LIMIT V | 2,980 円 |
docomo | 5Gギガホ データ使い放題 | 9,350円 |
au | データMAX 5G データ使い放題 | 10,280 円 |
SoftBank | メリハリプラン 50GB/月 | 10,280円 |
楽天モバイルの圧倒的な安さが分かる.
通信速度は?
楽天モバイルの5Gの通信速度は以下のようだ.
- 下り約870Mbps/上り約110Mbps(2020年9月30日時点)
- 下り約2.8Gbps/上り約275Mbps(2020年11月中に対応予定)
あくまで最大通信速度なので必ずこの速度が得られるわけではない.実行速度はもう少し遅くなりそうだ.また他のキャリアに比べて若干速度が遅い.でもこれもエリアや通信状態によって変動することが予測される.
しかし,4Gと比較しても圧倒的な速さなのが分かる.何せ料金の安さが不満をカバーしてくれる.かなり期待できそうだ.
5Gも4Gと同じくらいに普及した場合に利用者の増加で通信速度の低下が推測される.
実はもうすでにその数値は発表されている.MNO3社の平均値にはなるが大まかな5G最大通信速度からの推定低減率は,受信時: 10%~19%/送信時: 20%~40%とされている.
今後は2021年3月までに全ての都道府県で5Gサービスを展開する.2021年第2四半期にはSA(Stand Alone)方式のサービスを展開させる予定であるようだ.
対応端末は?
今持っているスマホが5Gのエリアに入ったからといって5Gが使えるわけではない.
5Gを使うには5Gに対応した端末でないと使えない.現在,楽天モバイルが発表している5G対応の端末は
- AQUOS R5G
- Rakuten BIG
の2端末のみだ.特に新しく発表された自社ブランドのスマホ「Rakuten BIG」は気になる.どっかの宝くじみたいな名前だが以前の機種「Rakuten mini」対応させているのだろう.
以下は詳細なスペック表.
製品名 | Rakuten BIG |
カラー | ホワイト / ブラック / クリムゾンレッド |
サイズ(高さ/幅/厚さ) | 約174 x 約80 x 約9 (mm) |
重量 | 約227g |
ディスプレイ | サイズ / 種類 約6.9インチ / 有機EL解像度 FHD+ / 2,460 × 1,080 |
連続待受時間 | 約530時間 |
連続通話(通信)時間 | 約21.7時間 |
CPU | Qualcomm® Snapdragon™ 765G 5G mobile platform / オクタコア 2.4GHz + 2.2GHz + 1.8GHz |
OS | Android™ 10 |
内蔵メモリ(RAM / ROM) | 6GB (RAM) / 128GB (ROM) |
アウトカメラ | 約800万画素 (超広角) + 約6,400万画素 (広角) + 約200万画素 (深度測位) + 約200万画素 (マクロ) |
インカメラ | 約3,200万画素 |
バッテリー容量 | 約4,000mAh |
ワイヤレス給電 | × |
おサイフケータイ | ○ |
防滴 / 防塵 | ○ (IPX8 / IP6X) |
生体認証(指紋 / 顔) | ○ / × |
VoLTE(Rakuten, docomo, au, SoftBank) | ○ / × / × / × |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
テザリング(Wi-Fi) | 10台 |
SIMタイプ | eSIM |
スペックは比較的高いほうだ.端末価格は税込6万9800円で,端末の製造はZTEが担当しているようだ.
今のプラン「Rakuten UN-LIMIT 2.0」はどうなる?
自分が一番気になるのが「Rakuten UN-LIMIT 2.0」プランを契約している大多数の人は「Rakuten UN-LIMIT V」の登場によってどうなるかだ.
結論から言うと「Rakuten UN-LIMIT 2.0」から「Rakuten UN-LIMIT V」へは無料で簡単に移行できる.というか自動で移行されるようだ.
楽天モバイルユーザーは,5G対応端末を用意するだけで手続きや追加料金不要で5Gに移行可能と言うことだ.なお,「Rakuten UN-LIMIT 2.0」の新規受付は終了されるようだ.
基本的には「Rakuten UN-LIMIT V」のプランは「Rakuten UN-LIMIT 2.0」とほぼ同じで,5Gが使用可能となっただけだ.
最も残念な点,気になる5Gエリアは?
楽天回線エリアは最近ホームページで「楽天回線拡大予定エリア」として新たに表記されるようになったが,5Gエリアはどうか?
実は,公式ホームページに記載されているが,
北海道,埼玉県,東京都,神奈川県,大阪府,兵庫県の一部地域のみである.
当然自分の住んでいる田舎には5Gの回線は届いていない.と言うかどのキャリアの5G回線も来ていないんだけど.エリアは今後拡大することを期待したい.
ただ楽天はユーザーを確保するためにプラン料金1年無料をしているが,5Gプランを契約しても1年以内に自分の地域が5G開通しなければ,4Gのみの使用となる.
その場合は楽天回線エリアならデータ無制限で使用できるのでメリットはある.楽天回線でさえもエリア外なら,パートナー回線のau回線を使うことになるが月5GBのデータ容量となる.
それでも専用アプリの使用で国内通話無料だし1年間はプラン料金無料の太っ腹振る舞いに乗っからない理由はない.