自分は文字を書くのが苦手で,出来るだけパソコンで仕上げたい.役所や重要な書類は未だに手書きの文字でないと受理されなかったりする.正直面倒だし字が汚いから恥ずかしい.大学の授業ではノートを取る作業を少しはしたが,自分が読めればいいので汚くても問題ない.
まあ結局は自分の字が汚すぎて自分でも読めない時が多々あるが...
今日は,文字の話.スマホやパソコンでも文字が結局は重要だが美しい文字とはを調べてみた.
特にMacのパソコンの文字は美しい.その理由を探ってみる!
Windows から Mac に乗り換えて思ったこと
自分は昔からMacユーザーではない.もともとはWindowsを大学の途中まで使っていた.家には父の影響でパソコンは存在していたがきちんと触るようになったのは小学校の頃か.
その時は,ゲームをするぐらいだった.内蔵のゲームであったりソフトを購入してもらったりもした.当然その頃にはもう「マウス」というのが存在していたし,プログラミングなんてものは出来なかった.今のパソコンのような解像度の高いモニターでもなければ派手な操作感もない.
大学入学後に初めて触れたMacは衝撃だった.MacやAppleの存在は知っていたが周りは圧倒的Windowsユーザーだし,デザイナーや音楽をする人もしくは「変わった人」が所有するパソコンってイメージだった.
このイメージは意外と今でも通用するかもしれない.「スタバ・MacBook」ってオシャレだけどわざわざカフェでパソコンって何してんの?変わった人だ..
Mac の文字の美しさ
Macに触れてからのいちばんの印象は文字の美しさだった.Windowsのあのギザギザしてカクカクした文字に見慣れていた自分にはかなりの衝撃だった.今のWindowsがどうなのかは知らないが,さすがにあのカクカクは無くなっているだろう.
よくパソコンを選ぶときに「CPUが...」,「メモリが...」それに対して「値段が...」と検討する人が多いが自分は文字が美しいMacが買えれば値段が二倍でもMacを購入する.例えWindowsが設定やソフトで文字をMacっぽくできるとしても,デフォルトで美しくなければならない.
同じブログ記事をMacとWindowsで表示させてもWindowsは見る気さえしない.耐えられない.今は改善せれているのかもしれないが.実は自分だけではなくてMacの文字の美しさは,色々議論があって,WindowsよりMacを買うのは文字が美しいからって人は少なくない.
文字はデザインでありインターフェイスである
Macの文字が美しいのはグラフィックが高度であるだけではない.ちゃんとした理由があるのだ.
「カリグラフィー」という言葉を知っているだろうか?自分は知らなかった.
「カリグラフィー」とは,日本の書道の西洋版みたいなもので文字を美しく見せる技法のこと.
実はAppleのジョブズは大学を退学後にカリグラフィーの授業にこっそり参加していたらしい.スタンフォード大学での卒業式でのスピーチの内容から明らかになったのだが,
Macの美しい文字はキチンとした学問から成り立っていたんだ!
それにしても,ジョブズは学んだことを形にしているからすごい.大学で学んだことで形になっているものなんて自分には全くない.
カリグラフィーで考えられることを大まかに解説すると以下の項目が挙げられる.
文字フォントを考えてみる
文字フォントを普段はあまり考えない.デザイナーではない限り文字について考えることもほとんどない.
大学院生なら,学会発表や論文作成があり文字やフォントについて考える機会が生まれると思う.学会や論文となると自分が満足するデザインのフォントから人に伝える文字フォントを考えるようになる.
論文だとフォントが決められてることも多い.国内論文だとフォントが決めれれていたのを経験したことがある.しかも「Microsoft Word」で提出をするという残酷な論文雑誌だった記憶がある.
やっぱり,スライド作成がいちばん文字フォントを考える必要がある.聞き手が見やすいフォントに.スライド作成する時はぜひフォントを考えて欲しい.どのフォントを使用するかはお任せするが,結局のところ見やすいフォントはこれだ!なんて紹介されてて皆同じフォントになっている傾向がある.よくない傾向だ.
配置を考える
「タイポグラフィー」は文字を適切に配置し,文字の体裁を整える技法のこと.きれいなフォントを使っても文字の配置や体裁が整っていないといけない.
字体の大きさ(ウェイト)や行と行との間隔(レディング),文字と文字との間隔(カーニング),印刷紙面上での活字が占める領域の配置・構成(レイアウト)など構成要素は多い.
ジョブズがカリグラフィーの授業を受けていたとき,その指導者がロバート・パラディーノ神父だったそうだが,彼はカリグラフィーの権威者で今のMacの文字の美しさに影響を与えたそうだ.文字と文字の間に生まれる余白の変化を楽しむなんてことはジョブズにしかできない.
サッカード眼球運動
人の視野は解像度の高い約直径5度の中心視野と,そのまわりの解像度の低い周辺視野から構成されている.当然,パソコンやスマホで文字を読む時は中心の解像度の高い部分で文字を認識するため,中心視野を移動させながら文字を読む.
文字を認識している間を停留といい,次の停留点への移動運動をサッカードと呼ぶらしい.文字のどの位置で停留するかで,単語認識時間が短くなることが知られており,文字の間隔(カーニング)が短いほど,文字の認知時間が短くなるのだ.英語みたいな単語と単語の間に余白がある文字より,日本語のように単語同士に余白のない方が認知速度が速くなる.日本語はすごい.
「サッカード眼球運動」は,左右の二点間を瞬時に視点移動する運動のことを示すが,サッカード眼球運動をしている間,瞬時に移動する二点間の間は「サッカード抑制」が起こるため認識されない.脳が勝手に見えているのに情報をシャットアウトしているのだ.
このサッカードによって人は文字を認識し理解するのに一役買っている.短い文字列ではこのサッカードが起こらないのだ.
もしかしたら,MacやiPhoneにはこういったことが取り入れられているのかもしれない.Macに限らず全てのデバイスにこういうことを考えてもらいたいが,少なくともMacは他のデバイスより優れている.美しいと感じる人が多いのが証拠だ.
まとめ
文字は,手書きよりもタイプされた方が美しい.調べるとMacの文字がうつくしいのがよくわかる.完全にApple贔屓な気がするが気にしない.
LaTeXの文字はどうなんだろう.